レザーソールにトゥスチールは取り付けるべきか。

ハーフラバーに続き、永遠に論争が続くであろうトゥスチール。でもやっぱり「好きにすればいい。」が結論。

トゥスチールとは。

ソールのつま先側につける厚さ数mmの金属の板のこと。何ヶ所かビスで止めることでソールにしっかり接着することができる。ソールを削って面イチになるように取り付けることもあるし、削らずにそのままはりつけるタイプの商品もある。修理代は税抜3,000~4,000円ぐらい。日本だと「ヴィンテージスチール」だとか「トゥスチール」だとか呼ばれる。、「ヴィンテージスチール」は商品名のようだ。「トゥスチール」は一般名詞に見えるが、英語で”toe steel”は安全靴なんかの鉄の先芯を指してしまうみたい。”metal(steel) toe tip(tap/plate)”と呼ぶのが英語圏では一般的な様子。

この金属の板、商品名で呼ぶのは違和感があるので、(英語としては不適切な表現だが)このサイトでは「トゥスチール」で表現を統一する。

トゥスチールのメリット

まずはトゥスチールのメリットを整理。

  • つま先が削れにくくなる
  • ハーフラバーのつま先の剥がれを防げる
  • 見た目がかっこいい

つま先が削れにくくなるのは明白。レザーやラバーに比べてスチールは摩耗に強い。ソールの寿命、特につま先部分の寿命は大きく伸びる。自分の場合、つま先が削れやすい歩き方をしているようなので、トゥスチールを付けないと履きおろしから2~3回履いただけで修理屋に行ってつま先を補修してもらわなければならなかったりする。最初からトゥスチールを付けるとそれがなくなる。

2番目の「ハーフラバーのつま先の剥がれを防げる」も恩恵を感じる。ハーフラバーを張ってトゥスチールは取り付けないというのを試してみたが、どうもトゥ側でソールとハーフラバーの間に隙間ができてきた。トゥスチールがあるとつま先にかかる負担をトゥスチールが受けてくれるので、ハーフラバーが剥がれにくくなり、修理を先延ばしにできる。

最後の「見た目がかっこいい」は主観的な意見なのでなんとも言えない。私個人としてはかっこいいと思う。

トゥスチールのデメリット

反トゥスチール派の意見をまとめた。

  • 水で錆びる
  • 滑りやすくなる
  • 金属音が迷惑
  • 床を傷つける
  • 見た目がかっこ悪い

最初の「水で錆びる」はしょうがない。ハーフラバーにトゥスチールを取り付けると、ハーフラバーだけのソールより雨への耐性が下がってしまう。錆びるし、ビスも抜けやすくなるという。うーんステンレス製のトゥスチールはないものだろうか。…トゥステンレスと呼ぶべきか?

2~4番目は、歩き方にも寄る。私の場合、平地や上り階段では2~4番目のデメリットは全く当てはまらない。私はつま先がよく削れる歩き方をしているはずなのに、床の素材に関わらず平地なら金属音がしない。つまり滑らないし床も(おそらく)傷つけていない。おそらくスチールは軽く床に触れているだけなんだろう。考えてみれば、平地を歩く時は踵から接地して体重を移動した後に拇指球で踏み出すので、つま先が主体的に床に当たることはない。これらのデメリットが当てはまるとすれば、階段を下りる時だ。下り階段だとつま先から接地することも多いので、どうしても滑りやすいし音もなるし、床によっては傷つけてしまうこともあるだろう。ただ問題の解決は簡単で、単につま先から接地しないように気をつければトゥスチールを床に当ててしまうことはない。

なお、通常、レザーソールが滑るのはトゥではなくヒールのせいである。レザーソールでよく滑る方はトップピースを全面ラバーに変えるといい。

最後の「見た目がかっこ悪い」は主観的な意見だ。スチールやラバーなんてとんでもない、レザーでの補修しか認めない!という人もいるだろう。確かに異素材を付けてしまうとソールの元々の美しさは失われてしまうかもしれない。機能だけで是非を決めるのはナンセンスなので、かっこ悪いと思う人は大きなデメリットだと認識しておいた方がいい。

では、トゥスチールは取り付けるべきか。

ハーフラバーは考え方によって張る張らないを決める部分が大きかったが、トゥスチールは歩き方によって張る張らないと決める割合が大きそうだ。歩き方によってはどうしてもトゥスチールを床に当ててしまう人もいると思うので、そういう人は取り付けない方がいいのかもしれない。ただ、削れにくいという大きなメリットがあるので、どちらを選ぶかよく考えるべきだろう。

私の場合、レザーソールの靴にはすべてトゥスチールを取り付けることにしている。そうしないとつま先があっという間にウェルトまで削れてしまう。

最初から取り付けるか、途中から取り付けるか。

これは「最初から」だろう。履きおろしてすぐが一番つま先が削れやすいので、買ったらすぐトゥスチールを取り付けないと意味がない。場合によってはゴムの継ぎ足しやハーフラバーを張り付けをしないとトゥスチールが取り付けられないこともある。

ただ、最初からは言うものの、靴を買ったらすぐに履きたいのも心情。店によっては1週間ぐらいの預かりになってしまうのでやきもきするが、店が空いていれば1時間もかからずに取り付けてくれるところもある。普段からそういう店を探しておくと便利だ。

最後に。

たかだか金属片なのだ。他人を迷惑をかけない範囲であれば結局は本人の自由、というところにたどり着く。それぞれがメリット・デメリットを勘案して決めればいい。