シューキーパー(シューツリー)はいつ靴にいれるべきか

シューキーパー(シューツリー)を入れるタイミングには大きく2つ説があって、雑誌を見ていても、「脱いですぐ派」と「翌朝派」が論戦(?)を繰り広げていることが多い。

はっきり言って、脱いですぐでも翌朝でも大差はないと思う。ただし、私自身は気分的な問題で翌朝派である。

シューキーパー(シューツリー)の役割

そもそもシューキーパー(シューツリー)の役割は靴の形を保つことだ。履き下ろす前の靴は靴底が(ほぼ)平らだが、履いているうちにだんだんとつま先が反りあがってピエロの靴のようになっていってしまう。また、履きジワの部分がへこんだようになってしまう。これを防ぐため、靴が反らないようにテンションをかけ続ける道具がシューキーパーだ。

ちなみに、履きジワ自体は革に割れ目ができている状態なので、シューキーパーを入れても消すことはできない。

安価なシューキーパーはプラスチック製が多く、形状も簡易的である。一方で高価なものは木製で、形状もより人の足に近いことが多い。木製のシューキーパーをシューツリーと呼ぶわけだが、いわゆる高級紳士靴の場合はシューツリーを使うのが一般的なため、以下シューツリーで用語を統一する。

もう一つ、機能として吸湿性を謳っているシューシューツリーも多くある。例えば無垢材・無塗装のシューツリーがこれで、靴の中の湿気を吸い取り、ニオイやカビの発生を抑制することができるとしている。ついでに木の香りを靴につけることもできる。

脱いですぐ派の主張

靴を脱いですぐにシューツリーを入れた方がいいとする派閥の根拠は「革は湿っている時が一番変形しやすい」である。

これはその通りだろう。そもそも靴を作るときは革を濡らしてから加工するぐらいである。ソールに使う革なんかは木の板のように固いので、しばらく水に浸しておかないと靴の底の形に合わせて曲げることもままならない。

ただ、脱いですぐシューツリーを入れてしまうと水分やニオイ成分の蒸発を阻害してしまう。すべてが無垢のシューツリーというわけではないのでどうも汗が靴の中に残ってしまう気がするし、シューツリーに汗の湿気を吸わせるのもどうも嫌で私は靴を一晩乾かしてからシューツリーを入れたくなる。…といっても、日常のメンテナンスが行き届いていれば、そこまで神経質になる必要はない気はする。

翌朝派の主張

一方で、翌朝にシューツリーを入れた方がいいとする派閥の根拠は「汗や雨による湿気を飛ばしてから入れた方がいい」である。

過剰な湿気や水分は革にとって大敵である。ニオイ、カビの原因にもなるし、濡れるレベルまで行くとシミにもなる。一晩靴を置いておくことで、この湿気を逃がしてやるのだ。

翌朝派のデメリットは靴の変形のゴールデンタイムを逃してしまうこと、とされているが…正直、これまで「シューツリーを入れるのが遅かったせいで靴の反り返りを防げなかった…」という経験は一度もない。次にその靴を履く時までしっかりシューツリーを入れておけば、すぐにシューツリーをいれなくても特に問題はない。

自分の場合

ここからは私個人の靴の収納方法や感覚に依存する話になってしまうが、シューツリーに湿気を吸わせるのが嫌、である。なぜならそのシューツリーを靴の中に入れっぱなしにするし、その靴はシューツツリーごと靴棚に入れっぱなしにするからだ。何が言いたいかというと、吸われた水分やニオイ成分が逃げる余地がなかなかないように思えるし、逃げたとしても靴棚の中に籠ってしまう気がする。

自分の場合、脱いだ靴は100均で買ってきた人工芝のマットの上に一晩置いておくようにしている。靴の裏もどうしても水分を吸ってしまうことがあるので、靴の中と裏を空気に触れさせてしっかり乾燥させるのである。人工芝の見た目はイマイチだが、斜めに置くよりも楽ちんである。そして翌朝、その日に履く靴を用意すると同時に前日に履いた靴にシューツリーを入れ、軽くブラッシングする。雨に濡れた場合は引き続き乾燥させ、シミになってしまった場合はシミ抜きなんかをするわけだが、そうでもなければこの時点で靴棚に収納している。

革靴の雨ジミは濡れタオルでかんたんに取れる
雨で濡れた革靴のアッパーにできる雨染みや塩吹き。ゴシゴシこすったり丸洗いしたりお店に預けたりしなくても、濡れタオルを当てておくだけで簡単にきれいにすることができます。

結論

どのタイミングで入れるかは個人の自由、気分の問題、でいいと思っている。個人によって靴の履き方・しまい方は異なると思うので、都合のいいタイミングでシューツリーをセットすればいいだろう。なんなら間を取って寝る前にシューツリーを入れる、でもいいのかもしれない。

要は、タイミングよりも、そもそも忘れずにシューツリーを入れることの方がよほど大事なのである。もちろん靴をどう履こうが持ち主の勝手ではあるが、フォーマルシーンやビジネスシーンにおいてメンテナンスが行き届いていない靴を履いていることがプラスに評価されることはまずないので、紳士靴の取り扱いには気を付けたいものである。