180:J. M. ウェストンのローファー

200を超えるラストの試作を経て完成したという、ローファーの一つの極致。

ローファー。

実はローファーはこの一足しか持っていない。というか、「ローファーが欲しいから一番のものを買ってもう終わりにしよう。」と色々悩んだ結果で180に辿り着いた。カメラのレンズ沼で学んだが、最初にいいものを知ることで、無駄な出費を抑えることができる。趣味に本気で取り組むなら、最初からいいものを知っておくに越したことはない。

ウェストン180インサイド

  • メーカー:J. M. Weston
  • モデル:180
  • ラスト:41
  • サイズ:9D
  • カラー:chocolate
  • ソール:レザーソール ヒドゥンチャネル
  • スタイル:ローファー
  • 購入価格:8万円

ウェストンのフィッティング

ウェストンというとフィッティングに関して有名なことが2つある。1つは選択肢の幅広さ。サイズが12種類、ウィズが6種類で合計72もの選択肢がある。公式サイトによると革も14種類あるようなのでそのまま掛け算すると選択肢は1000を超える。オーダーすれば組み合わせも自由自在だ。というか逆にChocolateなる色が公式には乗ってないんだけど、どういうことなんだろう。…深く考えるのはやめよう。

ウェストン180アウトサイド

もう1つ有名なのは「万力締め」。ウェストンに行くとにかくタイトフィッティングをおすすめされるそうだけど、自分は別の店で買ったのでそんなことはなかった。サイズは9D。持ってる英国靴が9E~9.5Eなので、表記が違うウェストンで9Dというのはサイズをあげてウィズを下げたイメージ、かな。履いているうちに伸びて緩くなり過ぎたらどうしようという不安はあったけど、今のところそこまでではない。むしろほどよく伸びていて、「履きやすく脱ぎやすい、でも脱げない」という見事なフィッティングになっている。足が前にいかないので、踵が緩いようで絶妙に脱げない感じで履ける。かといって捨て寸が足りなくてつま先が当たるわけでもない。不思議。

ただ、ひとつだけ問題があって、残念なことに靴ずれが起きる。どこかというと母趾の中足骨の付け根らへん。つまり親指の骨、足の甲の真ん中らへんというなかなか変なところ。紐靴じゃ起きない靴ずれなので、「これがローファーか…」と妙に感心する。踵も親指もくるぶしも無傷なのでより面白い。

ディテール

ウェストン180正面

デザインはモカシンにハーフサドルという、なんとなく思い浮かべるローファーの形そのまま。定番デザインは飽きや流行り廃りが来ないからいい。春から秋にかけてはいつでも気軽に履ける。自分の場合、秋が来たら冬から春前までトリッカーズのブーツを出陣させるので、この2足で年間のオフの日用の靴はなんとかなるという酷いローテーションが完成している。もう何足か足さないとさすがに手抜きがすぎる。でもローファー(怠け者)だし、まぁいっか。コバは平。

ソール

ウェストン180ソール

革は素晴らしい。傘下にデュプイがいるのだから当然かもしれないけど、いい革をふんだんに使っている。少し磨くだけで簡単に艶が出るのでお手入れが簡単。レザーソールも上等なのか、足馴染みがすごいよく、履いて2~3回でしっかりと足についてくるようになった。それでもトゥの削れは怖いので、やっぱりトゥスチールを取り付けている。履いた初日に雨が降ったおかげで錆びているのが玉に瑕。靴を買う時に「ウェストン以外で修理するとウェストンの修理は受けられなくなる。」と言われたけど、全然純正に対するこだわりなんて無いので街の修理屋で修理してもらった。

ソールは黒い縁取りがされているのが特徴なんだけど、ハーフラバーのおかげでほとんどわからなくなっている。そのハーフラバーがなかなかに汚いが、この汚れを見ると、「レザーソールにこの汚れが染み込まなくてよかった…」と思わなくでもない。トップピースは一直線のラバー型。色はブラウンで、コバの黒と実は色が合っていない。

シューツリー

ウェストン180シューツリー

純正にこだわりはないというもののシューツリーは純正。シューツリーは消耗品ではないのでこだわりたい。シューツリーに目をやると、靴の形を想起させる分厚いトゥがかわいい。持ち手が金具ではなく木なのも暖かみがある。サイズ表記は9。本来は9E用?でも幅云々より長さに問題がある。縦の長さがギリギリで、靴に入れるとスプリングの部分がほとんど隠れて前半部と後半部がくっつきそうなのだ。おかげで出し入れの時にどうしてもシューツリーがライニングをこすってしまうのが悩み。

ヒール

ウェストン180ヒール

ヒールカップはがっちり縫い合わされている。ヒールのウィールはとてもきれい。それにしても靴が汚い。「写真は綺麗に、靴はそのままに」というのを目指してやっているが、さすがにもうちょっと綺麗にしたどうなのかと自分に言いたい。

トゥ

ウェストン180上からシューツリーを入れると笑っている顔のように見える。ホラー映画のスクリームの犯人がかぶっているマスクっぽくなくでもない。トゥの丸みは流行りのロングノーズとは大局的で、どこまでいっても「ふつう」な印象しか与えない。しかし、これでいい、これがいいのだ。

最後に

細身の丈の短めのパンツに合わせればなんとなく今っぽくなるし、太いパンツに金ブレでも着れば途端に昔っぽくなるし、ローファーという靴は万能である。町中で若者からおっさんまで履いているのがいい証拠。紐靴じゃないとフィッティングに不安があるし、スニーカーと違ってカッコつけてるような感じもして最初は戸惑うが、履いてみるとラクだし便利。一足だけローファーを買おうと考えている人は、ぜひ私を信じて(?)ウェストンの180を検討してみてほしい。