975:Aldenのコードバン外羽根フルブローグ

コードバン輝く、オールデンの定番フルブローグ。バーガンディの975。

旅の思い出

旅先でブログの記事でも書こうかと思っていたが、どうも面倒なので辞めた。それでいてブログのネタになりそうな戦利品はこの975一足だけ。何をしにアメリカまで行ったんだか。でもこの靴はいい買い物だった。まず価格。そこそこ円安だったのに日本での販売価格の6~7割で買えた。…これからはアメリカに行く度にオールデンを買ってしまいそう。

  • メーカー:Alden
  • モデル:975(Long Wing Blucher)
  • ラスト:バリー(Barrie)
  • サイズ:10D
  • カラー:バーガンディ(#8)
  • ソール:ダブルレザーソール
  • スタイル:ブラッチャー フルブローグ ロングウィング
  • 購入価格:9万円台

オールデンのイメージ

昔からオールデンには2つのイメージがあった。ひとつは「重厚感は一級だが仕上げは雑」。イギリスのトリッカーズ、アメリカのオールデン…と勝手に並べてしまう感じ。でも、どちらも独自の世界を作り上げているブランドだと思う。その世界の中では、仕上げの雑さも魅力というか個性というか、ポジティブな要素になってしまうのが不思議なところ。品質を第一に考える日本のブランドじゃなかなか考えられない。

もうひとつのイメージはコードバン。「コードバンの輝き美しいが値段が高く水に弱い」ということもあり、積極的に買おうとは思っていなかった。カジュアルなのに雨に弱いとはこれいかに、である。とは言え、一足は持ってみたい、履いてみたいというのも本心だった。

ディテール

では実際に買った靴はどうか。期待通り「仕上げは雑」である。というか、靴の仕上げ以前にまず、革の色が左右であっていない。しかも右足のヴァンプ大胆な染めムラがある。自分はもともと革のトラ(生前のシワ)や血スジ(血管の跡)が好きなタイプなので染めムラも「味がある」ぐらいにしか思わないが、人によっては「高い金払ったのに!」と憤慨しかねない。(カジュアルな靴だから許せるというのもある。フォーマルな靴には均一さを求めたい。)

そして仕上げ。縫い目は良くも悪くも粗い。ただ、ゴツいウェルトやコバの雰囲気には良く合っている。これが繊細なピッチで正確に縫われていたら台無しなのかもしれない。荒々しさがこの靴、このブランドの最大の魅力。トウからヒールまで続くロングウィングも派手でカッコいい。

コードバン

色は定番のバーガンディ(#8)。世の中にはウィスキーやシガー、ダークブラウンみたいなレアカラーのオールデンも存在するが、なぜレアかというと、革の質が良くないと薄い色は難しいよ、ということらしい。…あれ?濃い色なのにムラがあるこの靴はある意味レア?
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ちなみに、世の中には「シェルコードバン」と呼ばれるコードバンが存在するが、「シェルコードバン」は単にホーウィンの登録商標である。この「シェル」とは、加工前のコードバンが開いた二枚貝の形をしていることに因むもので、ありていに言えばお尻の形のこと。日本では同じものを指して「メガネ」と呼ぶのが一般的。要するに「シェル」とつく方がいい革とかいう意味ではない。

ツヤ以外のコードバンの特徴といえばシワ。いわゆる牛革と違って銀面がないので細かいシワが寄らない。折れたところで革がうねるだけなのだ。ちなみにガビガビ光るのが好きではないのでそんなに磨いていない。

シワができない代わりに、折れたところの色が抜けて白い線が現れる場合がある。丁寧に磨けば消えるが履くとまた出る。素直に受け入れて「これがコードバンなんだ」ぐらいに思っておいた方がよさそう。

レースステイ

レースステイを見るとアイレットは平行型で5つ。革が固いせいで羽根が足の甲にうまく沿ってくれないのが面白い。意外なのが靴紐の細さ。チャーチなんかの太い丸紐に慣れていると、このいかにも普通の紐には拍子抜けする。なので紐が劣化してきたらゴツめの紐に取り替えようかなと早くも思案中。

ソール

ソールはレザーを2枚重ねたダブルソール。上の写真をよく見るとウェルト、ミッドソール、アウトソールの3層になっているのが分かる。要するにかなり厚底なわけだがそこまで固さや歩きにくさは感じない。対してトリッカーズのダブルソールはほんとに木の板みたいに固いのでだいぶ違う。オールデンの方が人に優しい。

裏から見てもゴツい。ウェルトが一周してるおかげでトップピースがとても大きい。かなり重厚なのでスーツ向きの靴ではないが、それ以外であればどんな服に合わせてもカッコいい。ジーンズでも、コットンパンツでもウールパンツでもよく馴染む。そもそも雨の日には履かないのでハーフラバーはなし。

最後に

買う前はコードバンの輝きやシワがより楽しめそうなチャッカ(1339)やプレーントゥ(990)にしようと思っていたが、靴屋に行ったらサイズが合うものがロングウィング(975)しかなかった。ただ、アメリカらしいロングウィングを楽しめる一足なので結果的には満足。
色的にも湿度的にも秋冬に活躍させたい靴なので、この1月から春まではどんどん履いていきたい。